じゃあ早速、と声をかけて都合よく部屋の真ん中に据え置かれた天蓋付きのベッドに恋人を連れ込もうとする。
「待て、監視されてるかもしれない。他の方法で出られないか試そう」
二人きりのときは雰囲気に弱いくせに、今回は外向きの理屈が勝ったらしい。言い分はごもっともだが、こちらからすれば大誤算だ。一週間かけて編んだ魔法を大剣でかち割られるなんて、たまったもんじゃない。構えた腕にぶらさがって叫ぶ。
「やれば出られるんだからやればいいじゃないか!」
「何もしないでやられるか! お前も手伝え!」
「……やだ」
「やっぱり、お前の仕業か」
ぽこんと頭を叩かれる。王に手を上げるなんて、謀反だ! あーあ。このままじゃ、フリルにまみれた寝床で夜通し小言を囁かれるんだろうな。さっさと眠りたい。
「したいなら、直接、言えばいいだろ……」
「よし、しよう」
「そういうことじゃなくてだな!」
そういうことだろ。説教が始まる前に腰を抱いて、綿の上に体を投げた。
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