「ストロール! お昼一緒にどう?」
今日も元気に王都を見て回る王が、明るく声を掛けてくる。お前を捜しているせいで飯抜きになる騎士がいるんだぞ。そう忠告してやろうと思ったのに、気づいたら店の前まで体を引きずられていた。
昼時の店内は賑やかで、皆それぞれの会話や食事に夢中なようだった。すっかり街に馴染んでいる国王陛下は、うきうきと昼のメニューを確認している。
「よし、決まり。揚げた肉で!」
「じゃあ俺は焼き魚を」
とりあえず注文を済ませて一息つく。が、何かがおかしい。
「おい、なんで隣に座るんだ? テーブル席なら向かいでいいだろ」
俺の真横に掛けた王がきょとんとした様子で、なんで? と首を傾げる。
こいつ、わざとだ。何度その顔に騙されたと思ってるんだ! その手は効かないからな。黙って向かいの席に移動すると、彼も黙ってついてくる。
「いや、なんでだよ」
「いいじゃん。ほら、料理来たよ。食べちゃお」
真面目に考えても無駄か。二人並んで、いただきます、と手を合わせる。
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