ときめきレスポンス

「え! 返事」
「ああ。手紙には返事を書くものだと……」
「ご両親に感謝しないと。いま開けてもいい?」
 剣に乗っているわけでもないのに、地面から体が浮いているみたいだ。光に透かしてみるけど、当然ながら中身は読めない。琥珀色の蝋に指をかけようとすれば、育ちの良いストロールが深い深いため息をついて言う。
「部屋に戻ってからにしてくれ」
「わかった! じゃあね!」
「じゃあね!?」
 王宮の廊下を全速力で駆け抜ける。何だ今の、曲者か? いや、陛下だ! と騎士たちが遥か後ろで騒いでいた。まあ、あとでストロールが説明してくれるだろう。
 私室に飛び込んですぐに可愛い可愛い恋人からの返信を開封すると──固苦しい季節の挨拶から始まり、そっけない感謝と不器用な愛が綴られ、最後はご丁寧にフルネームで署名されていた。ああ、自分はいま世界で一番ごきげんな王だな! 便箋の香りを吸い込もうとした瞬間、やっと追いついたらしい彼の怒鳴り声が聞こえた。
「丸見えだ! ドアくらい閉めろ!」

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