「お誕生日おめでとう!」
浮かれた三角帽子を被った王がクラッカーをぱん、と鳴らす。
「え、日付教えたことあったか?」
「調べればすぐにわかるよ」
祝ってくれるなら、直接聞けばいいのに。そこまでして俺を驚かせたいのか。
小さな頃は、誕生日が待ち遠しくて仕方なかった。山積みの箱、色とりどりの料理、大きなケーキ、大好きなひと。あの年に失ったすべてが、今またここにある。
「あんまり嬉しくなかった?」
言葉がつかえて出てこない。答える代わりに、小さな恋人を強く抱きしめた。
「よかった。九月の二十四日にまたやろう。ケーキは四つで!」
背中を優しく撫でられる。そうだな、と答えた俺の声は少し震えていた。
「いいけど、多くないか?」
「ストロールと、殿下と、青い髪の子と、新しい自分の分」
「欲張るなって。体はひとつだろ」
笑った拍子に涙がこぼれて、背伸びした王にちゅ、と口を塞がれる。
「大丈夫。もう一人じゃないからね」
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