「さあ、最終問題は得点五倍です! ──陛下から見た閣下の好きなところ!」
バトリンの声が広場に響く。選挙の時から変わらず、流れるような進行に感心する。
「あのな、公衆の面前でやるような問題か、それが!」
「問題は公募の上、委員会で選定しております。さっさとご回答ください」
こめかみに指をめりこませて唸っていると、仕切りの向こうから、書けた! と楽しそうに弾んだ声が聞こえた。国王陛下は、いつだって迷わない。
「閣下。制限時間あるんで、そろそろお願いしますよ」
大丈夫だ、俺は愛されている。きっと『心』に違いない。信じて回答を提出する。
「はい、陛下側の回答は……『胸』! 部位としては近いが圧倒的に遠い!」
あいつ、やりやがった。会場をぶち壊してやりたいが、民に危害を及ぼすわけにはいかない。不正解だというのに、恋人は軽やかな足取りで近づいてくる。
「顔って言ったほうがよかった?」
「中身の話をしてくれ」
「うーん、全部好き!」
膝から崩れ落ちる俺をよそに、大聖堂前に割れんばかりの拍手と歓声が轟いた。
ああ、明日からどんな顔をして仕事をすればいんだ!
目次
