主ストのBLショート文 書きたいところだけ書いたやつ
レオンくん(12歳ボディに大人/子ども精神2in1)
誘惑失敗 甘々なのに地獄編
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「なあ、ウィル」
後ろから呼びかける。
振り返った硝子の視線は俺の頭よりも上の空間を捉えて、すぐこちらに向けられた。
「なあに」
子どもをあやすような──じっさい今の俺は間違いなく子どもで、母が聞き分けのないおれの言い分を聞くだけのときに使うのと同じ──ことばだった。
愛のこもった優しい声は叶わないことの宣告と同じで、それでも俺は言いたいことを止められない。
「今夜、一緒に寝て……」
「レオン、ごめんね。今日も仕事が終わりそうになくて」
「失礼しました、陛下」
「またお菓子でも取り寄せようか。この間好きだって言ってたパイはどうかな」
「いえ、結構です! お忙しいのにごめんなさい! ひとりで、大丈夫、です」
背が高かった頃ならすらすらと強がれたのに。
呪いで語彙まで縮んでしまったのか、もたもたと返事をするので精一杯だった。
見慣れたじゅうたんの模様でいっぱいの視界に、まぶしい白色が割り込んでくる。
王ともあろう御方が、跪いておれを抱き寄せていた。
望外の事態に、昏いよろこびが体の裏側をどろどろ流れていく。
手のひらの熱が背中から伝わって、脳みそがとろける。
腰が抜けてもたれた肩に頬ずりすると無意識に甘い吐息が漏れた。
首に鼻を寄せて吸い込めば、彼をさらに深く感じて腹の奥がきゅうと痺れる。
「ん……ウィル、すき……」
「ストロール。あんまり誘惑しないで」
抱く力が強くなり、いつもより低い声で囁かれて鼓動が激しく胸を叩きつける。
小さな兎の心臓は跳ねて、跳ねて──
「子どもと、そういう事はしないよ」
ぱん、と弾け飛んだ。
